世代によって捉え方が違う
煮詰まるの本来の意味は、「結論が出そうな状態」です。
1 煮えて水分がなくなる。「汁が―・る」
2 討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく。「問題が―・ってきた」→生煮え
[補説]近頃では、「煮詰まってしまっていい考えが浮かばない」のように「行き詰まる」の意味で使われることが多くなっている。
コトバンクの解説にあるように、近頃では「行き詰った状態」で使われることが多くなっています。
以前、誤用が多い言葉を紹介した記事を書きました。
多くの人が勘違いしていることをまとめてみた | SHIROMAG
ブコメにもあるように、「言葉というのは変化していくもの」っていうのは納得できますし、それは認めます。確かに仰る通りだと思います。
しかし、「煮詰まる」に関しては、「結論が出そう」と「結論が出なくて行き詰まる」では意味が真逆になってしまいます。紛らわしいんですよね。
「確信犯」とか「役不足」などは、本来の意味から変化して使われているのは納得できます。ほとんどの人が新しい意味で使ってますから。
でも「煮詰まる」だけは。お願いします。これだけは紛らわしいので統一して欲しい。
例えば、こんな文章。
「アイディアが煮詰まってきたので、いったん会社を出てカフェに行った」
えっ?余裕ぶっこいてるの?それとも気分転換?どっち?って思ってしまう…
本来の意味だと「結論出て時間あるしカフェでも行くか」って状況だと思うけど、文脈的には「なかなか良いアイディアが出ないので気分転換」ともとれますよね。
「行き詰る」の意味で使われている記事を読むと、なんとなく記事に集中できなくなってしまうんですよ。いちいち細かいですかね?
もうなんなら「煮詰まる」って言葉使わないで…
追記:「確信犯」と「役不足」は誤用が一般的になりすぎて、もはやその流れに抵抗できない状況になっていると思います。認めたくないけど、認めざるをえない。
しかし、「煮詰まる」はまだ抵抗の余地があるのではないでしょうか。