Webデザイナーになるため転職活動をする際、必要になるのがポートフォリオです。
私が採用を担当する時、ポートフォリオがない応募者は採用しません。ポートフォリオがないとスキルをチェックできないのです。
実務の経験がなくても、ポートフォリオは最低限用意しておきましょう。
ポートフォリオの作り方
実務経験がない場合、ポートフォリオの制作に頭を抱えると思います。
Webデザイナーの転職活動には、ポートフォリオサイトと紙に印刷したポートフォリオを用意します。
ポートフォリオサイト
Webデザイナーの転職で、最も力を入れるべきがポートフォリオサイトです。
デザイナーとしての実力を評価するには、制作物を見るのが一番です。
何年やってたとか、どれだけ勉強したということよりも、何が作れるかが大事なのです。
まずは掲載するためのサイトを作る
Webデザイナーの実務経験があればこれまでの制作物を掲載すれば良いのですが、未経験からの転職だと制作物がありません。
ですので、ポートフォリオに載せるためのサイトやデザインを掲載しなくてはいけません。
何を載せて良いか分からない人は、以下の方法でサイトを作って見てください。
架空のクライアントを設定する
一番早いのは、架空のクライアントを設定してサイトを作るという方法です。
例えば、以下のようなサイトを作ってみてはいかがでしょうか?
- カフェのHP
- コーポレートサイト
- 美容室のHP
- カメラマンのポートフォリオ
架空のサイトだと素材がないので、フリー素材のサイトにある画像を使って作成してください。
友達のHPを作ってあげる
意外と自分のサイトが欲しいという人は少なくありません。
お店のHPを作りたい店舗経営者、ポートフォリオサイトを作って欲しいカメラマンやイラストレーター、活動しているバンドの公式サイトを作りたいアーティストなど、知り合いにいればコンタクトを取ってみても良いでしょう。
営業活動をする
もし腕に自信があれば、実際に営業活動をしてみても良いでしょう。
個人のお店やフリーランサーなどに営業をかけて、仕事がもらえるかもしれません。
ただし、仕事を得るまでに時間がかかってしまうので、Webデザインの勉強が削られてしまうというデメリットもあります。
クラウドソーシングを利用する
仕事を依頼したい企業や個人と、仕事が欲しいフリーランサーをつなげるのがクラウドソーシングという仕組みです。
有名なのはクラウドワークスというサービスです。
依頼を受けていなくても、コンペに参加することができます。
クラウドワークスのコンペで、デザイン案を提案してみましょう。デザイン案が気に入られれば、報酬を得ることもできます。
実際にコンペに参加しなくても、依頼内容を見て作ってみるだけでも良いでしょう。
ポートフォリオの公開
ポートフォリオを公開するには、自分でサーバーを用意するか、ポートフォリオ公開用のサービスを利用するという手段があります。
自分でサーバーを借りて公開
おすすめは、自分でサーバーを借りて公開する方法です。
Webデザイナーになればサーバーにサイトをアップするなどの作業が発生します。
サーバーの構成やFTPクライアントの使い方を知っていれば、仕事の役に立ちます。
その勉強のために自分でサーバーを借りてサイトをアップする作業を経験しておいた方がいいでしょう。
一からHTMLやCSSを書いて制作するか、WordPressのテーマを利用します。
採用側としては、サイト制作のスキルを見たいので、できれば自力でHTMLやCSSを組んで欲しいとは思います。
サーバーの契約から公開まで
ポートフォリオサイトは限られた人しか閲覧しないので、サーバーのスペックは低くても問題ありません。
さくらインターネットやロリポップあたりの安いサーバーで十分です。
サーバーのコントロールパネルからファイルをアップしてもいいですが、FTPクライアントを使ってみるのがおすすめです。
私はFileZilaというFTPクライアントを利用しています。
ポートフォリオサービス
自分でサイトを用意する手間をかけたくない人は、DribbbleやBehanceなどのサービスを使ってポートフォリオを公開するという方法もあります。
behance
Adobeが運営しているポートフォリオサイトです。Adobeアカウントがあれば無料で利用できます。より機能が充実した有料版もあります。
Dribbble
ポートフォリオサービスではかなり有名なサイトです。
クオリティの高い作品がたくさん公開されており、眺めるだけでもデザインの勉強になります。
RESUME
直感的に操作ができて、簡単にポートフォリオが作れるサービスです。
アカウントページでは、自分のスキルや制作物を公開することができます。
このサービスを作ったのはサルワカというサイトを運営しているcatnoseさんです。
Salon.io
日本語で利用できるのがSalon.ioです。無料から利用でき、HTMLやCSSの編集も可能です。
無料版では150枚までの画像を掲載することができます。
Format
英語のサイトですが、操作は比較的簡単でテンプレートも充実しているサービスです。
ただし、無料期間は14日間だけで、継続して利用するには月額料金が発生します。
月々6ドルから利用ができます。
自前とサービスの利用どっちが良い?
デザインだけではなくHTML/CSSのスキルをアピールしたい人は、自力でポートフォリオサイトを作った方がいいでしょう。
コーディングよりもデザイン力を見て欲しいという人は、DribbbleやBehanceなどのサービスを使うといいでしょう。
紙のポートフォリオ
紙のポートフォリオにはそこまで力を入れなくて大丈夫です。
なぜなら、Webデザイナーの腕の見せ所はWebサイトであり、印刷物ではないからです。
ある程度シンプルで見やすくされていれば、問題ありません。
紙のポートフォリオのポイント
- 印刷物なのでCMYKで作る
- シンプルでOK
- フォントと余白の取り方だけは気を配る
ポートフォリオに記述しておくべきこと
ただ制作物を掲載するだけではなく、補足情報のテキストも入れておきましょう。
- どんな点にこだわったのか
- どのようなスキルを使ったのか
- 制作期間
- 使用ソフト
これらを記載しておくことで、採用側も求職者の実力が把握しやすくなります。
ポートフォリオを作る上での注意点
ポートフォリオ作りで気をつけて欲しいのは、実際の能力とは異なるサイトを作ってはいけないということです。
例えば、デザインスクールなどで教えてもらいながら作ったサイト、テンプレートのまま作ったサイト、どこからかパクったサイト、これらの作品で実力を偽装しても意味がありません。
現在自分の実力でどれくらいのサイトを作れるのかを見せて下さい。
以前採用活動をしている時に、実力とかけ離れたポートフォリオを持ってきた人を採用したことがありました。恥ずかしながら、ポートフォリオに騙されてしまいました。
実際に仕事をお願いしたところ、全くデザイン業務をこなすことができず、非常に困りました。
実力とは異なるポートフォリオで転職活動をするというのは、採用後に問題を引き起こします。
まとめ
転職活動の成否を左右するのがポートフォリオです。
未経験でもポートフォリオを充実させればWebデザイナーへの道は開けると思います。
とはいえ、未経験の人がいきなり完成度の高いポートフォリオを作るのは無理です。
基礎をしっかり固めている、センスを感じさせるなど、光るところを見せられれば大丈夫です。
時間はかかると思いますが、コツコツと制作してみて下さい。
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