眠れない夜の最強読書!寝る前におすすめの「没頭本」7選

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寝る前の読書を心がけている人も多いのではないでしょうか。特に眠れない夜の過ごし方はさまざまですが、ゆったりと本を読みながら過ごしているという人もいるでしょう。

かく言う私もそのひとり。しんと静まった夜中に読書をすると、本の世界観に入り込むことができ、格別な没入感を得ることができますよね。

本記事では読書好きの筆者が、ぜひ眠れない夜に読んで欲しいおすすめの本を7冊厳選して紹介します。ぜひ寝る前のお供に!

1.夜のピクニック

夜のピクニック 概要

『夜のピクニック』は、恩田陸の長編青春小説。『小説新潮』に2002年11月号〜2004年5月号まで連載。2004年7月30日、新潮社より刊行。高校生活最後を飾る伝統行事「歩行祭」で80kmの道のりを生徒たちが夜を徹し歩く非日常のなかで、浮き彫りとなる青春の光と影を描いた名作。第2回本屋大賞・第26回吉川英治文学新人賞受賞作。

夜のピクニック あらすじ

全校生徒が24時間かけ80kmを歩く、高校の伝統行事「歩行祭」。主人公である高校3年生の甲田貴子は、これが最後の歩行祭となる。1年に1度の特別な歩行祭の日に、貴子は自分のなかで賭けをした。それは、クラスメイトである西脇融に声をかけるということ。貴子は、恋心とは違うある理由で西脇を意識していたものの、一度も話をしたことがなかった。しかしふたりの不自然な様子をクラスメイトは誤解しており…。

おすすめポイント

はじめに挙げさせていただいたのは、恩田陸さんの映画化もされた名作。恩田さんは、個人的に夜の女王です。夜との親和性が高い作家さんなのではないかなと思います。

その理由は、文章の質感。なんともいえないひんやりした冷たさをはらんだ静かな質感が、眠れない夜にそっと読むのにぴったりなんですよね。恩田さんの小説を読むと、どんどん心地よい夜の沼にはまっていくような感覚になるんですよね。

『夜のピクニック』もまさにそうで、舞台は主人公貴子の通う高校で年に一度行われる夜の歩行祭。親しい友人たちと夜を歩き、いつもより少し素直になれたりする。うっとりするほど魅力的な夜ですよね。

初めてこの作品を読んだのは高校時代で、自分の学校にもこんなイベントがあったら良かったのになと羨んだりしました。

眠れない夜はあなたも本作を読んで、夜のピクニック気分を味わってみてはいかがでしょうか。

2.麦の海に沈む果実

麦の海に沈む果実 概要

『麦の海に沈む果実』は、恩田陸によるミステリー青春小説。 関連作には『三月は深き紅の淵を』『黄昏の百合の骨』『黒と茶の幻想』があり、外伝ストーリーには『睡蓮』『翡翠の夢、水晶の朝』『麦の海に浮かぶ檻』がある。

『メフィスト』(講談社)にて1998年10月増刊号〜1999年9月増刊号まで連載され、2000年刊行、2004年には文庫版が刊行。

麦の海に沈む果実 あらすじ

舞台は三月以外に来た転入生は破滅をもたらすといわれる、北の湿原地帯の全寮制の学園。主人公は二月最後の日に転入してきた水野理瀬。理瀬の心は揺らめく。彼女が学園にやってきてからというものの、いくつもの不可解な事件が起こったからだ。閉ざされたコンサート会場や、湿原から謎の失踪を遂げた生徒たち。生徒を集め、交霊会を開く校長。図書館から忽然と消えた「三月は深き紅の淵を」といういわくつきの小説。理瀬が迷い込んだ「三月の国」の秘密とは…?

おすすめポイント

こちらも恩田陸さんの、夜に映える一冊。2000年代の名作でしょう。関連作には『三月は深き紅の淵を』『黄昏の百合の骨』『黒と茶の幻想』があります。

この作品が夜におすすめなのは、少し不気味でどこか寂しい学園の雰囲気。湿原地帯にあることから、現世から隔離されたような排他的な雰囲気があり、ひっそり夜中に読むのにぴったりなんです。

主人公水野理瀬もどこかミステリアスな雰囲気を醸し出しており、夜属性の強いキャラクターです。

物語は不可解な事件ばかり起こり、誰を信じたら良いか分からない。主人公さえも。そんなひやっとした緊張感とともに、謎多き学園に身を投じてみてはいかがでしょうか。

3.ライ麦畑でつかまえて

ライ麦畑でつかまえて 概要

『ライ麦畑でつかまえて』(英:The Catcher in the Rye)は、J・D・サリンジャーによる長編名作小説。1951年7月16日リトル・ブラウン社から出版。日本語訳版の題名としてはこの最も広く知られたもののほかにも、『ライ麦畑の捕手』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『危険な年齢』などがあります。

高校を放校となった17歳の少年ホールデン・コールフィールドが、クリスマス前のニューヨークをめぐる物語半自伝的物語。口語的な文体を用いて社会や大人への鬱屈を投げかける内容は、時代を超えて若者たちの共感を呼び青春小説の名作として世界中で読み継がれている。

ライ麦畑でつかまえて あらすじ

本作は、フィクションとして描かれたホールデン・コールフィールドが主人公の物語。16歳の高校生、ホールデンは学校での成績が振るわず、名門高校ペンシー校から退学処分を言い渡され、放校となってしまう。そんな状況のなか、クリスマス休暇前の土曜の夜にホールデンはルームメイトであるストラドレーターと喧嘩をして、寮を飛び出すことになる。

ホールデンは親元に退学通知が届くまでは家には帰らないと決意をし、ニューヨークに戻ってからは怪しげなホテルに宿泊する。それから日曜日の夜になるまで友人やガールフレンドに会ったり、妹に電話をかけたり、女の子たちとダンスを踊ったり、売春婦を斡旋する男に金を巻き上げられ喧嘩になったり、酒を飲み酔っぱらったりと、さまざまな経験をする。

ホールデンは大好きな妹でに会いたくなり、日曜の夜にこっそりと家に帰ります。そして妹を学校から呼び出し、公園で落ち合う。彼は雨でずぶ濡れになりながらも、回転木馬に乗って楽しむ妹を見て、幸福な気分となる。

おすすめポイント

言わずもがなサリンジャーの名作です。私は眠れない夜、何度もこの本を読み勇気づけられました。ホールデンは誰よりも自分を理解してくれるユーモア溢れる楽しい友達だと思っていましたし、今も思っています。

作品では放校になったホールデンが、社会や大人の欺瞞に対し愚痴をこぼしつつ、冬休みをのんびりと過ごしている様子が描かれています。ホールデンが感じる学校の校長や両親に対する気持ちは、若者なら誰しも共感してしまうもののように感じます。

大人になり、ホールデンという友達の存在が遠くなってしまうように感じた私は寂しく、仕事に疲れた夜にはよくこの本を開いていました。そこにはいつも変わらず社会に悪態をつくホールデンがいて、やっぱり変わらないなと安心するのでした。

この作品は、眠れない夜に読む本というよりは、孤独を感じる夜に旧友に会いにいく感覚で読むものかなと感じます。

4.星の王子さま

星の王子さま 概要

「大切なものは、目に見えない (Le plus important est invisible)」など、多くの人が大人になると忘れてしまう大切なメッセージが込められた作品。作品のもとになったと言われているのが、著者サン=テグジュペリが体験した1935年のリビア砂漠の飛行機墜落事故。これについては、彼の随筆集『人間の土地』で語られている。

レイナル・ヒッチコック社による1943年の初版以降、作者自身によって描かれた挿絵が使われ、素朴な主人公やキツネなど登場人物の姿は、作品とともに親しまれている。

物語の前置きで、この作品は、「フランスに住み、困難に陥っているあるおとなの親友に捧げる」と述べられている。この献辞にある「おとなの親友」「小さな少年だったころのレオン・ヴェルト」とは、作者の友人であるジャーナリストのレオン・ヴェルトを指している。当時は第二次世界大戦中にあり、レオン・ヴェルトは平和主義者でナチス・ドイツの弾圧対象になっていたユダヤ人だった。

星の王子さま あらすじ

砂漠に飛行機で不時着した主人公、「僕」が出会った小さな男の子。それは、小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星である地球にたどり着いた、星の王子さまだった。僕は、純粋無垢な王子と対話をするうちに、生きるうえで本当に大切なものを学んでいく。

おすすめポイント

慌ただしい毎日に疲れたら、ぜひともこの一冊。不朽の名作、『星の王子さま』です。物語は、小さな星で暮らす王子さまが、最愛の薔薇と喧嘩をし、自分の星を離れさまざまな星を旅するというもの。最後に訪れた地球で、王子さまは主人公の僕に出会うんですね。

この本を夜中にぼうっと読んでいると、自分も主人公の「僕」のように、砂漠で王子さまに出会って話を聞いている気分になるんです。砂漠はとても静かで、私は王子さまに薔薇やキツネとの話を聞いています。そんなふうに読み進めていくと、段々と現実がどうでも良くなってきます。子供の頃はこうやって、自分が大切なものをよく理解していたよなと初心に戻れたりもします。

もう何度もこの本を読んでいますが、読み返すたびにまた違う発見があります。それは、その時の自分の置かれている状況によっても変わっていくかもしれません。愛する人のことを考えている時、職場で嫌なことがあって落ち込んでいる時、自分がものすごく孤独だと感じている時…。

しかし変わらないことは、いつ読んでも王子さまは迷えるかつて子供だった大人たちの味方だということです。

5.フィッシュストーリー

フィッシュストーリー 概要

フィッシストーリー』は、伊坂幸太郎の短編小説集。

収録作は以下のとおりです。

  • 『動物園のエンジン』(『小説新潮』2001年3月号)
  • 『サクリファイス』(『別冊東北学』2004年8月号)
  • 『フィッシュストーリー』(『小説新潮』2005年10月号)
  • 『ポテチ』(書き下ろし)

このうち『サクリファイス』『ポテチ』には『重力ピエロ』などに登場する、泥棒兼探偵、伊坂作品でお馴染みの人気キャラクター「黒澤」が登場する。

おすすめポイント

ここで一つ、ミステリーの巨匠伊坂幸太郎さんの至極の短編小説集をご紹介。オムニバス形式の良い所は、毎晩少しずつ楽しみに読めるというとこですよね。

伊坂作品のみならず、私は夜に短編集を少しずつ読むことが多いです。「今日はこんなお話」「明日はあんなお話かな」「あ、このキャラクター別の物語にも出てきたな」なんて楽しみながら夜を充実させることができます。

おすすめは「サクリファイス」「ポテチ」。数ある伊坂作品のなかからこの本を選んだのは、オムニバスということ以外にワケがあります。この二つの作品には「黒澤」というキャラクターが出てくるんですが、またこの男が良い味出してるんですね。

黒澤は泥棒をしながら探偵業もこなすという一風変わった人物で、とてもクールで人間関係は極めてドライ。しかしその滲み出る優しさのせいか人望はあり、常に不可解な事件や人間関係のいざこざに巻き込まれてしまうという不遇でありながら愛される役どころ。伊坂作品の中でもずば抜けた人気を誇るキャラクターです。

妙な話で、私は泥棒である彼に、正しく自分らしく生きていくためのさまざまな心得を学んでいます。黒澤は極めて常識人であり、泥棒業にも自分なりのポリシーを持って清く正しく美しく(?)取り組んでいます。

本作を読まれる方は、ぜひミステリアスで魅力たっぷりの泥棒、黒澤の登場を楽しみにしていてください。

6.夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 概要

『夜は短し歩けよ乙女』は、森見登美彦による長編小説。2006年11月角川書店より出版。文庫版が2008年12月に同じく角川文庫から発売されたほか、映画公開に合わせ児童向けに、振り仮名や挿絵を加えた新書判が2017年4月角川つばさ文庫から発売。

第20回山本周五郎賞受賞作品。第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位受賞。

京都大学と思しき大学や、その周辺地域を舞台にして冴えないとある男子学生と、無邪気な後輩女性の恋物語を、2人の視点から交互に描いたドタバタ青春譚。ときに現実を逸脱した摩訶不可思議エピソードを交えている。古典文学・近代詩などからの引用が多く、タイトルは吉井勇作詞の『ゴンドラの唄』冒頭「いのち短し 恋せよ乙女」からとられている。

夜は短し歩けよ乙女 あらすじ

舞台はとある京都の大学。冴えない男子学生の先輩は、同じサークルに所属する後輩の黒髪乙女に恋をします。なんとか彼女の心を射止めようと、乙女の居場所を探し奔走する先輩。そんな先輩の気持ちなどはつゆ知らず、乙女はマイペースに大好きなお酒を飲みながら混沌とした夜を突き進んでいきます。根気強く乙女を追いかける先輩のもとには、予想外の奇々怪々な出来事が次々と起こり…!

おすすめポイント

永遠にも思える「夜」の迷路に迷い込んだ乙女と、乙女を追い続ける先輩の摩訶不思議恋愛譚。森見登美彦節が炸裂する本作は、アニメ映画にもなり大ヒットしました。

本作では、お酒が大好きな後輩の黒髪の乙女が、酒に溺れつつ京都の街をマイペースに突き進んでいき、それに振り回される先輩という構図が醍醐味となっています。私たち読者は乙女に感情移入にして夢か現かの摩訶不思議体験を味わうも良し、先輩に感情移入して存分に乙女に振り回されるのも良し、どちらにせよ非常に愉快な時間を過ごせるのは間違いありません。

読後は、なんだかすごく不思議で濃密な体験をしたんだけど、あまりよく覚えてないし、ちょっと二日酔いだけどでもすごく楽しかったなというジェットコースターに乗ったあとのような気持ちにさせてくれます。

混沌とした夜を上機嫌で楽しみたい人におすすめの一作、ぜひご堪能あれ。

7.愛するということ

愛するということ 概要

「愛するということ(The Art of Loving)」は、1956年に出版されたドイツの哲学家、エーリヒ・フロムによる著作。

フロムの著作として最も一般的な本と言われており、各国で反響を呼びベストセラーとなった。『自由からの逃走』(Escape from Freedom)、『人間における自由』(Man for Himself)などの理論を補完する内容であるとされている。愛する技術というのは先天的に備わっているものではなく、習得することで会得できるという考え方を提唱している。

おすすめポイント

愛に悩み眠れない方は、ぜひともこの一冊。

人間誰しも、一度は愛について思いを巡らせることがあるのではないでしょうか。往々に愛に悩むと、夜は眠れなくなり、相手のことばかり考えてしまったりもするでしょう。

この本を読むことで、本当に人を愛することはどういうことなのか、少し分かることができるかもしれません。少なくとも、溢れんばかりの自身の心は静まるはずです。

本著では、愛は求めるものではなく、与えるものだと説いています。そして愛は降ってくるものでも、誰かを好きになったら自然と愛せるようになるものではなく、技術として獲得するものだとも言っています。これはなかなか目から鱗な内容なのではないでしょうか。

私たちは生きるうえで愛を重視していながら、軽視もしています。人を愛することは容易いと思っているのです。しかし実際はどうでしょう。多くの人が愛に悩み、失敗している。愛し方が分からなかったり、愛されることばかり望んでしまったり…。

しかし愛は、得体の知れない私たちを悩ますモンスターではありません。愛は自分の中にあり、自分自身が無性に与えるものである。この考え方を知ることで、愛の本質や仕組みを知ることができ、興奮していた心がそっと静まるはずです。そして道がひらけたように明日が訪れ、あなたなりの愛を持って大切な人に接することができるかもしれません。

まとめ

以上、寝る前のお供におすすめの書籍を7冊ご紹介しました。

どの本も、個人的に夜に没頭して読んだものになります。夜というのは、誰しも考えなくて良いことまで考えてしまったり、孤独を実感して落ち込んでしまったりしやすい時間帯でしょう。

紹介した本が少しでも眠れない夜を過ごすあなたの助けになったら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!