「WiMAX」や「ポケットWi-Fi」は、光回線やADSLといった固定回線のように工事をする必要がなく、手軽にインターネットを利用することが出来ます。
そのため、転勤が多い会社員やアパート・マンションといった集合住宅に住んでいる人たちに利用されることが多いです。
しかし、何となく「WiMAX」や「ポケットWi-Fi」について”簡単にインターネットが利用できるモノ”であることは知っていても、それぞれの違いを正確に理解している人は意外と少ないです。
この記事では、WiMAXとポケットWi-Fiの違いについて分かりやすく解説をして、あわせてそれぞれのメリット・デメリットも紹介します。
WiMAXとポケットWi-Fiの違い
まずは簡単に表でWiMAXとポケットWi-Fiの違いを紹介すると、
WiMAX | ポケットWi-Fi | |
回線 | WiMAX2+ | LTE |
速度 | 最大758Mbps | 最大612Mbps |
速度制限 | 3日間で10GBまで (1ヵ月間の上限はなし) | 1ヵ月で7GBを超えると速度低下 |
提供エリア | 〇 | ◎ |
屋内の速度 | △ | 〇 |
プロバイダ | Broad WiMAX、GMOとくとくBB、BIGLOBE、So-netなど | Yahoo!WiFi、ワイモバイル、NEXT mobile、ONLY Mobileなど |
それぞれ以上のような違いがあります。
それでは具体的にそれぞれの概要を解説していきます。
WiMAX
WiMAXとは、携帯電話のauでおなじみKDDIグループの傘下にある「UQコミュニケーションズ」が提供する回線のブランド名を指します。
より具体的に言えばWiMAXには2009年からサービスが提供されている従来型のWiMAX回線と、2013年よりサービス提供が開始されたWiMAX2+回線の2種類があります。
下り最大40MbpsであったWiMAX回線を、より高速にしたものがWiMAX2+回線です。
ちなみに今までは端末によってはWiMAX回線とWiMAX2+回線の両方を使い分けることが出来たのですが、2018年9月30日をもって従来型のWiMAX回線の提供は終了し、今後はWiMAX2+回線だけが利用できるようになります。
ポケットWi-Fi
ポケットWi-Fiとは、ソフトバンクやドコモといった携帯電話会社のLTE回線を利用したモバイルルーターのことを指します。
ちなみに「Pocket WiFi」と言うと、元々はワイモバイル社が提供するモバイルルーターの一商品名だったのですが、今では持ち運びが出来るモバイルのWiFiルーターの総称として「ポケットWi-Fi」と呼ばれるようになりました。
それではWiMAXとLTEの概要について説明したところで、それぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。
WiMAXのメリット・デメリット
メリット
まずはWiMAXのメリットについて解説します。
速度が速い
端末によって最大速度は異なるのですが、最大758Mbpsの速度でインターネットを利用することができます。
LTE回線を利用するポケットWi-Fiは最大速度が612Mbpsですし、光回線のマンションタイプも最大200Mbpsあたりが一般的な速度であることを考えれば、WiMAXがいかに速いか分かると思います。
1ヵ月のデータ容量上限がない
LTE回線のポケットWi-Fiではなく、あえてWiMAXを選ぶ人の多くが「容量制限」で判断をしています。
WiMAXは3日間で10GBを超えると速度が低下してしまいますが、制限を受けるのは超過してしまった日の翌日18時頃〜翌々日2時頃だけで、それを過ぎるとすぐに速度制限は解除されます。
つまり3日間判定の制限はあるものの、LTEのポケットWi-Fiのように1ヵ月間のデータ容量の上限は一切ないのです。
以上のことからWiMAXはインターネットの使用量が多い人から高い支持を得ていると言えます。
デメリット
続いてはWiMAXのデメリットについて解説していきます。
LTEより提供エリアが狭い
WiMAXもかなり広いエリアで利用をすることが出来るのですが、携帯電話会社のLTE回線を利用しているポケットWi-Fiに比べるとエリアの網羅性はやや劣ります。
さらにLTE回線は地下鉄でも利用できるケースがありますが、WiMAXは地下鉄ではまず間違いなく電波が繋がりません。
通勤・通学などで地下鉄を利用する人は若干不便を感じるかもしれません。
屋内での電波の掴みが弱い
周波数についての詳しい説明はここでは割愛させていただきますが、WiMAXはLTEよりも高周波数帯を使用している関係で屋内での電波の掴みが弱い傾向にあります。
ちなみにWiMAXには家での利用を前提とした「ホームルーター」と呼ばれる機種もあり、こちらは一般的な端末よりも屋内での電波強度が高いので、自宅での利用がメインの人はそちらも検討してみましょう。
ポケットWi-Fiのメリット・デメリット
メリット
まずはポケットWi-Fiのメリットについて解説していきます。
提供エリアが広い
ポケットWi-Fiはソフトバンクやドコモといった携帯電話が全国に建てたLTE回線網を利用しているだけあって、WiMAX回線に比べて提供エリアが広いです。
主要都市はもちろんのこと、地方都市でも問題なく繋がる場合が多いです。
さらにはWiMAXでは一切繋がらない地下鉄でもLTE回線であれば繋がるケースが多いです。
しかし正直に言ってしまうと、LTEのポケットWi-Fiのメリットは提供エリアの広さくらいしかなく、WiMAXの電波が入らなかった場合の次の選択肢としてLTEのポケットWi-Fiを選ぶ、という人が多いのが現状です。
デメリット
続いてポケットWi-Fiのデメリットについて解説していきます。
容量制限がある
ポケットWi-Fi最大のデメリットが容量制限です。
LTE回線を利用しているポケットWi-Fiは、ソフトバンクやドコモといった携帯電話のプランと同じように月のデータ容量に制限があります。
具体的に言えば1ヵ月間に7GBまでしか利用できず、7GBを超えてしまうと最大128kbpsまで速度が低下してしまいます。
ちなみにLTEのポケットWi-Fiには「7GBを超えてもずっと高速で利用できる」を謳い文句にしているアドバンスモードと呼ばれるオプションがあるのですが、これは「128kbps」という速度が回避できるに過ぎません。
どういうことかというと、アドバンスモードを利用すると月7GBを超えた時点で通常のLTE回線からAXGPと呼ばれる回線に切り替わります。
AXGP回線の速度はLTE回線よりもはるかに遅い、110Mbpsが最大速度になります。
そのため、仮に最大612Mbpsの速度に対応している端末を利用していたとしても7GBを超えた時点で110Mbpsが最大速度になってしまうのです。
さらにLTE回線最大のメリットである「提供エリア」に関しても、AXGP回線に切り替わると一気に狭くなってしまいます。
つまりLTE回線のメリットを最大限に享受できるのは実質的に月に7GBまでしかないと言っても過言ではないでしょう。
まとめ
以上がWiMAXとLTEのポケットWi-Fiの違いと、それぞれのメリット・デメリットです。
これらを考慮した上で、モバイルルーターは
- インターネットを沢山利用したい人=WiMAX
- WiMAXのエリア外に住んでいる人=LTEのポケットWi-Fi
という選び方をオススメします。
やはりLTEのポケットWi-Fiには月間7GBというボーダーラインがあることを考えれば、総合的にはWiMAX回線を推奨します。
しかし現実的にWiMAXが提供エリアに入っていない人もいるかと思われますので、そういった方の予備の選択肢としてLTEのポケットWi-Fiを視野に入れましょう。
ちなみに、実際にWiMAXを契約しようと考えている人は以下の記事が参考になります。
【WiMAX契約 – ポケットWi-Fi比較4NET】
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