クラウドワークスの一連の騒動
最近、クラウドワークス関連のエントリが何かと話題になってますね。追い切れてない人もいるかと思いますので一連の騒動をまとめてみました。
事の発端はコチラの記事。クラウドワークスで月収20万を超えるのはたったの111名しかいないという記事。
そして、やまもといちろう氏のエントリ。
そして追い打ちをかけるかのように、この記事。
さらにこれ。
まとめると、労働力が不当に買い叩かれてるんですよね。1項目(文字じゃなく)で0.1円とかマジ地獄。
そして、それに対する反論。
キンコン西野「いやいや、空いた時間に5万円稼げるなんて立派なサービスじゃないすかー」というご意見。
文句言ってないでスキル磨けよというご意見。
そして、一利用者としてのキンコン西野への反論。
いやいや5万円稼ぐのすらキツイよ。全然割に合わないし。というご意見。
私は現在、見事に社畜なわけですが、以前ライティングの仕事でクラウドワークスを利用したことがあります。本当に単価が低い。時給換算しても、のんびり更新しているこのブログの方がよっぽどマシなレベル。
クラウドワークスが行っている「クラウドソーシング」というサービスについて、今一度考えないといけませんね。
クラウドソーシングって何?
クラウドソーシングというのは、仕事を依頼する側が不特定多数の人達に仕事の募集をする方法です。依頼条件にマッチした人が、仕事を受注します。
クラウド(群衆)にアウトソーシングするから「クラウドソーシング」
ちなみにこのクラウドはCrowd(群衆)で、クラウドコンピューティングのCloud(雲)とは全く別物ですから間違えないでくださいね。一応、念のため。
不特定多数に仕事を依頼するとどうなるかというと、「仕事がなくて困っているので、安い報酬でもやります」「今はスキルがないので安くても受けます」って人が出てきて、どんどん報酬が下がっていくんですよね。
それをいいことに、仕事を依頼する業者は報酬を下げまくる。それでもやってくれる人がいますからね。
もはやアウトソーシング界の価格.com状態。
しかも、この安い報酬から仲介手数料を引かれます。そうなると手元に残るのは微々たるお金になってしまうんですね。
一時期は「新しい働き方」としてもてはやされた
最近では耳にすることも減りましたが、以前「ノマドワーカー」が流行りましたね。会社に縛られずに、自宅やカフェで自由に仕事をするスタイルです。
「ノマドワーカー」の流行もあり、クラウドソーシングも「新しい働き方」を促す画期的な仕組みだともてはやされていました。
しかし、蓋を開けてみるとただ労働力が買い叩かれている現実。
無知な相手からは報酬が多く取れたほうが良い
無知な取引先が面倒なのだと上のリンク先の記事に書いてましたね。
クラウドワークスはエンジニアを幸せにはしなかった – 負け犬プログラマーの歩み
相手が報酬の相場や技術的なことについて無知な方が、価格交渉はしやすいと思うんですよね。
実際、WEBの仕事をしてると、「こんな簡単なことができないのかよ…」と思える依頼が取引先から来たりします。それで報酬もらえるなら御の字ですよね。
プログラマについてはよく分かりませんが。
しかし、クラウドソーシングでは逆のことが起こってようです。「無知な相手」ほど面倒くさい。そして無茶な報酬を提示してくると。
「てめえが分かってねえから余計な作業が増えるんだろうが、もっと報酬よこせ」
無知な相手からは多めに報酬もらうのが普通なんだと思いますよ。本来は。
結局、自由に働くのは簡単じゃない
会社に縛られて働いていると、どうしても自由な生き方に憧れてしまいます。しかし、実際にクラウドソーシングを利用してみると、
「コ、コレじゃない…」
本当にコレじゃない感がすごい。
単純作業のラインに立たされたようなあの気分。
自由に生きるのは難しいですね。そんな簡単に自由に働けたらみんなやってるだろ。結局、営業力がないとフリーで働くのは無理があると思うぞ。
ん?
自由な働き方…?
メディアクリエイター…?
なんか臭うぞ…
ダニエル・ピンクの提唱するフリーエージェント社会は本当に到来するのでしょうか。
フリーエージェント社会の到来 新装版—組織に雇われない新しい働き方
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